新作『Loco』からRichard Natto参加曲が、ALOHA GOT SOULとのコラボで7"リリース!ALOHA GOT SOULのボスRoger BongによるREMIXも収録!
HALFBYにとってのハワイって「逆サウダージ」な気がする。「郷愁」と訳されるその感情は、故郷を思って親しみと切なさを混ぜ込んだようなものでできている。それを逆だと感じるのは、自分の出自ではないはずの場所に「ロコ(地元)」を見出すような表現を彼の音楽に見るからだろう。
HALFBYのサンプリング、カットアップって観光写真に似てると思うことがある。狙い澄ました1枚もあるし、偶然に撮っていたスナップショットが大事な記録になることもある。ときどき、その写真に映り込んだ人と縁あって言葉を交わすようになることもあるよね。「ぼくはリチャード・ナット。歌を歌ってるんだ」ってその人が自己紹介して、2人の音楽が始まる。そんな妄想へとHALFBYの音楽は誘う。いいダンス・ミュージックは、身体と同じくらいハートに触るから、そういうことが起きやすい。
リチャード・ナットは、ハワイのシンガー・ソングライター。1970年代にホール&オーツあたりに憧れて友人と組んだデュオ、トーマ&ナットでデビューした。赤ちゃんのお尻ジャケで知られ、今も静かに愛され続けるファースト・ソロ『Not Just Another Pretty Face』(1980/最高だから探して聴きなよ)は、もともとトーマ&ナットのセカンドになるはずが、デュオ解消のためひとりで仕上げることになった作品。そのちょっとした淋しさが彼の甘い歌声をよりいっそうナイーヴに響かせた。
HALFBYのアルバムでひさしぶりにリチャード・ナットの歌声を聴いた。心地よいギターカッティング、甘酸っぱいコーラス、そして60歳は軽く超えているはずの彼の歌声に、あのナイーヴさがそのままあることに驚く。そして、抱きしめたくなる。HALFBYは、バウンスするトラックにゴージャスな生(なま)を惜しげもなく注ぎ込む。ALOHA GOT SOUL主宰のロジャー・ボンによるリミックスも、リチャードの声に永遠に宿る、憎めない惚れっぽさにフォーカスしていて素敵だ。
渚の向こうにあるはずの世界を夢見ながらハワイで生き続けてきたロコボーイ、リチャードにもきっと「逆サウダージ」がずっとあるんだろう。そんな感覚が、このシングルに関わった全員にあると思うし、文字通りそれがグルーヴ(レコードの溝)になって刻まれた。愛すべきダブルサイダーだと思う。
松永良平(リズム&ペンシル)
TRACKLIST
A. Beach Baby Be Mine feat. Richard Natto
B. Beach Baby Be Mine feat. Richard Natto ( Remix by Roger Bong )
品番 |
EMF-104 |
製造国 / 年 |
JPN / 2022 |
LABEL |
SECOND ROYAL RECORDS / ALOHA GOT SOUL
|
コンディション |
新品
|
配送方法 |
宅配便 / ネコポス / ゆうパケット
|
備考 |
-
|